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インタビュー・コラム創業110年の漆器店。副業人材を受けいれた3代目社長に聞く「副業ディスカッションパートナー」の価値

INTERVIEWS

創業110年の漆器店。副業人材を受けいれた3代目社長に聞く「副業ディスカッションパートナー」の価値

荻村実さん(株式会社山加荻村漆器店 代表取締役)

木曽漆器の産地として知られる長野県塩尻市。この地で100年以上にわたり漆器の製造販売を行ってきたのが山加荻村漆器店です。先代から事業を引き継ぐタイミングで、自身の「戦略ディスカッションパートナー」をYOSOMON!で募集されました。

求人ページはこちら:https://yosomon.jp/project/580

プロジェクト開始時の記事はこちら:https://yosomon.jp/int/661

約3カ月にわたるディスカッション期間を終えた荻村社長に、副業のディスカッションパートナーを受け入れてみて感じたことや、外部人材を受け入れることのメリットについて伺いました。

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YOSOMON!募集からマッチングまで

―――YOSOMON!で人材募集を始めたとき、どんなことを感じていましたか?

大小様々な問題があって、それを何とかしていきたいという想いがあった。根本的にずっと引きずっている会社の体質や経営改善など、気になるところをどうやって修正していこうかなと、ずっとモヤモヤと考えていました。

―――その時、副業人材への期待はどうでしたか?

半信半疑でした。どんな人が来るかもだし、そもそもうちみたいな、田舎の古い会社に目を向けてもらえるような人がいるかなと思っていました。

―――6名からエントリーがありました。会ってみてどう感じましたか?

自分の仕事だけじゃなく、スキルや経験を他でも活かしたいという人がこんなにいるんだな、ということが一番の驚きでした。純粋に力になりたいという方ばかりでした。うまくこの波に乗ることができれば、会社の力にできるかもしれないという期待感が増えました。

そういうキャリアをお持ちの方でも、目線を合わせてくれているというか、とっつきにくいとか、話しにくいとか、こちらが腰がひけてしまうような方は一人もいなくて、純粋に力になりたいという方が多かった。大袈裟かもしれないけど、皆さん、人間的にも尊敬できる方だったなと。

―――最終的にお一人に決められた、決め手はなんでしたか?

皆さん良い方で本当に悩みました。手を挙げてくださった方とお会いする中で、自分にとっての「ディスカッションパートナー」というイメージが固まってきました。当社の慢性的な悩みとして、資金繰りや財務関係の弱さがあったので、金融機関の経験がある方。また地方の中小企業と活動している方で、自分の環境も理解してもらえるのかなというのが、決め手でした。

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具体的な取り組み内容

―――具体的にはどのような取り組みをされたのですか?

会社的にも経営改善をしなければいけない時期で、金融機関からの指導もあり、古い体質から新しい体質へ、慢性的に滞っている部分を改善しましょうということが起こっている時期でした。中小企業診断士も入って、指導も受けるというタイミングとほぼ同じでした。

金融機関や診断士の方からこう言われているんだけど、ということを相談すると、私サイドの見方にたって、それはこういう意図で言っているんだよ、とか、それに対する対応や心構えを随時アドバイスしてもらうようなところから始まりました。

当然、うちの決算書も見て頂きながら、どこが弱いということもアドバイス、解釈をしてもらった。自分の中、会社で起こることをディスカッションごとに報告しながら、目線合わせやどう理解すればよいのか、アドバイスをもらいました。

―――その時に起きてることを都度相談するという形?

次はこんな話をしましょう、ということもありましたが、雑談から入りながら、社内で起こっていること、こんなことがあった、ということから、アドバイス、というか、ディスカッションをしていきました。お話が上手で、ふっと腑に落ちるように話をしてくれ、頭の整理にもなりました。

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守秘義務どうこうではない信頼関係

―――「これまで縁もゆかりもなかった人(=よそ者)」へ相談するというのは、どういった感覚でしたか?

お会いした時から、感覚的なものとして、お話できる人だなと感じていました。どんどん気持ちを聞いてくれ、引き出してくれる。信頼関係のもとに、話せたというのがあります。契約書うんぬん、守秘義務どうのこうの、というのではないです(笑)

距離も遠くの人なので、これが地元の誰かだと、もしかしたら話しづらいこともあったかもしれません。ある時は金融機関の視点で、ある時は、中小企業や行政とのやり取りでの苦労話も聞けたり、年齢的にも近かったので、隔たりや警戒感がなくできたところもある。

ある時は二人で男泣きをしたこともありました(笑)

―――ディスカッションをして良かったことはありますか?

自分の気持ちの整理や、「モノの見方」ということになります。「私の覚悟の決め様」に対して非常に良いディスカッションになっていたので、自分の気持ちがすっきりしています。

私たちの仕事はまだまだ古い体質があり、「社長にやれと言われたことを、そつなくこなせていけばよい」という雰囲気が今でもあって。そういう意識を変えていかないと、会社も私自身も成長がない。

年代も近いので、気持ちを理解していただけて、「俺たちの時代ってそうでしたよね」っていう話もできて、その中で、これからの方向付けをしてくれたというか、話をする中でいろんなことに気づかせてくれました。

―――何か具体的な変化はありましたか?

短い期間ですから、「経営状態が改善した」というわけではないですが、これまでしがらみを気にして手つかずだった、労働環境の整備に踏みきれたのはよかったです。休日や給与、残業など、改革を始めたらあれはどうなんだ。これはどうなんだ。って次々と出てきて。

従業員さんの意識を高めていく前に、会社としてはやらなきゃいけないところ、当たり前にできなきゃいけないことを整えようと決断できたのは、ディスカッションの成果だと思いますし、背中を押してもらったと思います。今回の取り組みを経て、改めて社労士の方に入ってもらい、今、社内規定を作り直しています。

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プロジェクトの今後

―――今後についてお聞かせください

安心して働ける環境を整え、改めて、以前から考えていた、海外展開、なのか、海外の取り込みなのか、そのあたりに視点を置いて取り組みを行いたいです。日常に戻ると、どうしても日々の仕事に忙殺されてしまうため、時間を作るという意味でも、改めて副業人材の募集も検討したいと思っています。

―――ありがとうございます。最後に、ずばり、「副業のディスカッションパートナー」は、周りの企業にオススメできますか?

おすすめできます。皆さん募集されたらいいと思いますよ。スキルをもっていて、貢献したいと思ってくださる方がいるということを、私は知りませんでした。実際、地域のお酒の席でも話しているんですよ。「全員会ったけど、みなさん、人間性も良い方だったし、物怖じする必要ないよ!」って伝えています(笑)みんな興味を持っていますよ。

PROFILE

荻村実さん(株式会社山加荻村漆器店 代表取締役)

株式会社山加荻村漆器店 代表取締役 株式会社哲学堂山加 代表取締役社長 1965年長野県塩尻市(旧楢川村)生まれ。東海大学卒業後、大手百貨店に就職。1992年に家業である山加荻村漆器店で営業職に就く。2005年東京中野に和食を併設した株式会社哲学堂山加を設立し家業の延長線上で新業態による新たなマーケットの創造にも取り組む。伝統産業を取り巻くマーケットの変化(需要の低下や人材不足など)という抗うことが難しくなった現在でも「産地と社内に新風を吹き込みたい」という想いで新たな漆器製品のデザイン開発とマーケットの開拓にもがいている。

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